The Magic of Oaxaca
-人生を変えるオアハカ留学-
メキシコ南部🇲🇽オアハカにあるスペイン語語学学校 Instituto Cultural Oaxaca(ICO)の日本人スタッフ🇯🇵Nobuです^ ^
【人生を変えるような経験をオアハカでしてほしい】
そんな想いでオアハカやスペイン語の魅力を発信しています😊
旅行中に後悔すること
海外旅行中に後悔しがちなこと、
それは
「キリスト教やその美術について少しでも勉強しておけばよかった」
実際そのようなことを数え切れないほど見聞きしました。
現在、キリスト教は世界一の宗教人口を抱えていますし、北中南米やヨーロッパの国々など影響を与えている地域も幅広いです。
キリスト教 22億5400万人 33.4%
(イタリア・フランス・ベルギー・スペイン・ポルトガル・中南米・アメリカ・カナダ・イギリス・ドイツ・オランダ・北欧オーストラリア)
(出典) 「世界の宗教人口 上位3位まではキリスト教・イスラム教・ヒンズー教 仏教徒はヒンズー教の半分以下」
上記の国や地域以外でも宗教行事や教会、美術館など様々な形で「キリスト教」と遭遇します。
そういう意味では、日本もそうですね。
つまり、あなたが海外旅行をするとき
「キリスト教の知識があればもっと楽しめるのに…」
と感じる可能性は大いにあるということです。
キリスト教を「知る」ということ
逆に言えば、キリスト教を教養として「知る」ということはとても重要だということです。
海外旅行がより楽しくなるでしょうし、その地域の文化や人々の考えについての理解も深まることでしょう。
メキシコやオアハカも例外ではなく、キリスト教について多少なりとも知っていれば
「ポサダ(クリスマス前のイベント)」や「サマリターナ(以前ブログで紹介)」なども比較的すんなりと理解できます。
「こうこうこういう理由でこうなのね」と。
ただ、こういった話をすると決まって言われるのが
「難しそう」
「なんか怪しい…」
ということです。。
まずはじめに、誤解させないように言っておくと僕はクリスチャンではありません(笑)
ただ純粋にキリスト教美術が好きで大学で勉強していたに過ぎません(^_^)
「宗教=怪しい」というイメージを持つ要因は様々だと思いますが(怪しい宗教団体の存在とかw)
世界的に見ると「宗教」というのは文化や生活に根付いており、それだけで「怪しい」という対象にはならないものです(あまりにも極端な思想は別として)。
次に、「難しそう」というイメージについて
僕はいつも「キリスト教美術は簡単だ」と言っています。
それは、聖書の内容やキリスト教美術は想像以上にシンプルだと思っているからです。
だからこそ「難しそう」「取っ付きにくそう」ってイメージを変えていきたい!
というのを大学時代から個人的なミッションに掲げています。
前置きが長くなりましたが、ちょうどサマナ・サンタ(聖週間)も終わりましたし、ここでいっちょ
絵画を通してキリスト教を学べるような記事を書こうと思ったわけです。
「簡単に」「面白く」をテーマに、こちらのブログで少しでもキリスト教美術に親しみを感じてもらえたら幸いです。
「受胎告知」
「受胎告知」とは?
フラ・アンジェリコ《受胎告知》1433-34年、テンペラ・板, 150 x 180 cm、Museo Diocesano, Cortona |
聖書の中でも最も重要な場面の一つ「受胎告知」
平たく言うと、天使が聖母マリアに神の子イエスを身籠ったことを知らせるシーンです。
マリアとしては、突然天使が現れるわ、何もしていないのに身籠もるわでびっくりなわけです。
キリスト教美術の中でも王道中の王道のテーマなので見かける機会も多いはず。
ちなみになぜそんなに重要なのかという理由はいくつかあるのですが一つご紹介すると
『神から差し向けられた人類の救い主が聖母マリアを介して地上に降臨する、新約の世界の扉を開ける主題であるためにほかなりません』
(出典)三浦篤「まなざしのレッスン」(東京大学出版会、2001年)
簡単にいうと、キリスト教(新約聖書)の世界の始まりを表すので大切だ、ということです。
ひとまずこの場面を見たら
- 天使が知らせに来た
- キリスト教の始まりを表すから重要
上記の二つを思い出してもらえたらと思います。
「受胎告知」のバリュエーション
ここからはプラスαの内容です。前述の通り、重要な主題である「受胎告知」は長い間様々な画家が描いてきました。
そのためそのバリュエーションは多岐に渡ります。
(上で取り上げたフラ・アンジェリコ作はその代表格)
こちらでは「変わり種」をご紹介します。
エル・グレコ《受胎告知》1596-1600年、油彩・画布, 315 x 174 cm Museo del Prado, Madrid |
どう感じるでしょうか?
とりあえず、フラ・アンジェリコ作と比べて「だいぶ違うな」とは感じて頂けるかと思います。
色彩、技法、構図、描かれた年代や場所、すべてが違うといってもエル・グレコ作なのですが
「受胎告知」について知っていれば、「この作品が何を表しているのか」が分かるわけです。
(羽のある人間は何かを知らせに来た天使かな…)
と。
つまり、難しいと考えられがちなキリスト教絵画は
キリスト教の物語を知ってさえいれば理解できるのです
小難しい技法やら画家の名前とか勉強しなくていいわけです。
しかも、分かるようになるのは絵画だけではありません。
彫刻やステンドグラス、キリスト教関連の劇や演出なども理解して楽しめるわけです。
そうすればきっと海外旅行がもっと楽しく、ワクワクするものに変わると思うんです。
おわりに
第一回目の「絵画で学ぶキリスト教」いかがでしたでしょうか?
何らかの理由でこちらのブログをご覧のみなさんは必ずしもキリスト教美術に興味があるというわけではないと思います。
「そんなことより、オアハカの雑貨やご飯の写真をアップしてくれよ」
と感じた方も少なくないのでは?笑
いや、そう感じた方こそ
こういった記事が役に立つ!
そう信じてシリーズ形式で投稿していきたいと思います。
それでは今回はこの辺で
教会の壁画で、雲の上にいる爺さんの前にいるキリストさんが、数人の天使の頭や肩を踏んづけてる、天使たちは、今畜生ってな顔で歯を食いしばってるのを見て、なんでやなん?っと思うことが数年も。それから、いろんな聖人さんがいるけど、その見分け方や、御利益の担当(?)。緑の服着て頭に1本ツノがある商売繁盛願い専用聖人さんとか、縁結びの子供を抱いている聖人さんとか、病気を治してくれる聖人さん、箒を持った聖人さん、楽器を持った聖人さん、らの代表的な聖人さんが分かるだけでもおもろいけど。でも、日本語で教えてくれる人にあったことなし。
返信削除コメントありがとう御座います。
削除そちらの壁画を見ないと何とも言えませんが、「天使の頭や肩を踏んづけている…」という描写にも何か意図があるのでしょうね。実は天使のふりをした悪魔だったり、「歯を食いしばっている顔」が喜びや恍惚を表現していたりするかもしれません。
そういうつっこみ所が多いのもキリスト教美術の魅力だと思っています。
また聖人の区別の仕方は彼らの持ち物(アトリビュート)が鍵ですので、そういったことも今後触れていければと思います。貴重なコメントありがとう御座いました。