さて先週の木曜日、ICOでは一足早くポサダがありました。
ポサダとは
“全人口のほとんどがカトリック教徒のメキシコで、広く行われている行事で、地域の小グループごとに、クリスマス前の九日間、毎晩どこかの家で行われ、子供達が楽しみにしているものです。ポサダのはじめに、マリアとヨセフの人形を持って、家の戸を叩くところがあります。それは、キリストを身ごもったマリアが、夫のヨセフとベツレヘムに行き、宿を求めてさまよい歩いた際、はじめは断られるけれど、最後にお腹の子が神であることがわかって、泊めてもらえる、という故事を表しています。ですから、元は宿屋を表すポサダという言葉が、そのお祝いに使われるようになったのです。”(セシのポサダの日 クリスマスまであと九日、訳者のことばより抜粋。)ポサダは、日本ではまったく馴染みのない行事ですが、クリスマスの9日前から始まります。つまり、今日12月16日はポサダの最初の日ということになります。
ポサダについて詳しく知るには、こちらの絵本がおすすめです。
(出典:EhonNavi)
エッツ&ラパスティダ作・たなべいすず訳
小さな女の子 「セシ」が初めてのポサダを経験します。物語は、セシを通してメキシコのクリスマスやポサダを紹介する内容になっていますが、市場やメキシコ人の日常の暮らしの様子も垣間見ることができるのでとても読み応えがある本だと思います。初版が1974年となっていましたがまったく古さを感じさせず、今のメキシコにも通じるところが本当に沢山ありました。素朴だけど、とてもあたたかいメキシコの一面を感じることができる本でしした。おすすめです!
EhonNaviでは試し読みもできるので絵本を通してメキシコの文化や伝統に触れてみてください。
ICOポサダ2015
建物の中にいるグループと建物の外にいるグループに分かれます。外にいるグループは、どうか泊まらせてくださいという旨の歌を歌い、中からそれに対する返事の歌が返されます。マリアとホセが家々を探し歩いたことを再現していて、最終的には無事に中に入れてもらうことができます。(この歌ですが歌詞があるのですが音楽があるわけではなく、歌を知っているメキシコ人の人たちに続いてなんとなく歌う、不思議なメロディでした。ちゃんとしたのを一度聞いてみたいところです。)
続いてはピニャータです。
昨年は完成したピニャータをオフィスにしばらくぶら下げてみんなが見られるようになっていたのですが、今年はポサダの開催が早かったので出来上がったピニャータが即日開票ならぬ、即日叩き割りということになりました。
出来上がった(ばかり)のかわいいピニャータ。
すっかり日が暮れるのが早くなったので、ピニャータを始める頃には日が落ちていました。写真では見にくいですが、真ん中にピニャータがあります。
ピニャータは、今では「メキシコのもの」というイメージが定着していますが起源を調べてみるとなんと発祥は意外にも中国。元々は中国では新年をお祝いするために紙で作った動物の中にいろいろな種類の種を入れていたそうです。旅行家マルコポーロがその文化をヨーロッパに持ち帰り、その後メキシコに伝わったようです。
中にたくさんお菓子を詰められたピニャータはひもで高いところに吊るされ、小さい子どもたちから叩きます。ピニャータの歌があって、周りで見ている人たちがその歌を歌います。
なにせ陶器の「壺」なので、子どもの力ではなかなか割ることができません。壺が割れると一気に中のお菓子が出てきてみんなでそれを拾い集めます。
出来上がったばかりのあのかわいらしいピニャータたちが次々と割られていくのはなんとも切なく、しかし割れるたびにあがる歓声とお菓子を集める嬉しそうな子どもの顔を見ていたら「これでいいのだ」という気持ちになりました。
ピニャータの後は、パンとポンチェがふるまわれました。今年のICOのポサダは早めの開催でしたが、街では今日12月16日からがポサダです。
オアハカにいる人は、ポサダを探して参加してみてはいかがでしょうか。
それでは、たのしいクリスマスシーズンを!
Instituto Cultural Oaxaca
日本人スタッフ あみ
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