9月もいよいよ大詰めです。独立記念日も終わり、街は少しずつ死者の日に向けて移行しています。
雨季も終盤といったところで、夕方になると雨が降る日が多いと感じます。雨が降る前は ぐんと気温が上がり、湿気を含んだ空気は少し蒸し暑く感じます。そして夕方になると空が暗くなったなぁ、と思うや否や一気に豪雨。そしてその後気温がぐんと下がります。季節の変わり目なので、このように天候も気候も定まらないオアハカです。
そのせいか、最近は体調を崩す人が多いと感じます。海外で生活する、あるいは旅する上で体調管理は非常に重要です。
オアハカの気候は?
オアハカの気候は、年間を通して温暖です。一番暑い時期が2月〜5月。その後は雨季に入るので、昼間に気温が上がっても夕方に降る雨でクールダウンされて夜は過ごしやすいのが常です。寒暖差が激しいので、慣れるまで身体を適応させるのが大変かもしれません。海抜1,500メートルの高地にあるので空気は乾燥していて過ごしやすいです。日差しは強くジリジリと焦げるような暑さですが、日陰に入って風でも吹こうものなら涼しくて快適なのです。
気をつけるべきは?
オアハカでは、水道水を飲むことができません。飲み水は必ず買ってください。それでも最初の数日間は、水や食べ物が変わるとお腹の調子を崩しやすいです。このように、水が良くないので感染症などには十分気をつけなればなりません。特に、食べ物や飲み物は要注意です。屋台での食べ物は安価で美味しいですが、慣れるまでは手を出さないほうが安全です。屋台での食べ物は火を通したものを頼むのが鉄則です。生野菜など(特に葉物の野菜)は注意が必要です。
食べ物に十分注意していても、感染症にかかってしまう場合があります。これは、歯磨きなどをするときに蛇口の水を使うのが原因になることもあるそうです。
「歯磨きだけで!」
と思われるかもしれませんが、雨がたくさん降る雨季では水道の水や、家庭のタンクに貯めてある水に雑菌などが繁殖しやすく、水の状態が悪くなるのだそうです。その水を毎日使って歯磨きなどをしていると、それがお腹に蓄積されてある日突然身体の調子を崩すということもあるのだそうです。メキシコ人のお医者さんの話によると、外国人だけではなくメキシコ人も雨季になると感染症が増えるのだそうです。
食事にはかなり気をつけていたのに体調を崩してしまったという人がいたので、「謎の病気にかかってしまったのか?!」と心配しましたが、水が原因かもしれないという意外な診断でしたが、先生の説明を聞いてると「なるほど」と思いました。
メキシコ人でも体調を崩しやすくなるくらいなので、メキシコの環境に慣れていない外国人(衛生状態のかなり良い国で生活している日本人にはなおさら)は、感染しやすいと言えます。慣れない環境に加えて、上でも述べたような寒暖差の激しい気候、疲れなど様々な要素が重なって感染症を引き起こしやすくなることを頭に入れておく必要があると思います。
意外な彼らにも気をつけて!
食べ物や飲み物以外にも雨季(暖かい時期)は気をつけなければならないものがあります。それはずばり、「蚊」
です。蚊の中には、デング熱やチクングニア熱(チクングンヤ熱)のウイルスを媒介するものもいるので要注意です。
デング熱は日本でも話題になりましたが、チクングニア熱というデング熱よりもさらに強力で厄介な病気もあるそうです。ともに、高熱が出たり関節の痛みがひどかったりするそうで、場合によっては死に至る場合もあるという危険さです。
これらの病気にならないようにするには「蚊に刺されない」というシンプルかつ、それが唯一の対策だなんて、そんなあほな、という予防策しかありません。蚊対策のグッズは日本の商品の方がかなり効き目があると感じているので、日本から準備してくるのが◎だと思います。
特に重宝するのは、部屋の隅にシュッとひと噴きすると部屋全体に耀ってこないというスプレーです。1日くらい効果が長続きし、蚊だけではなくゴキブリもコロリといくという噂の強力な効果が期待できる代物です。
私も、昨年は蚊のあまりの多さに泣かされましたが今年はこのスプレーで刺された数激減。かなり助かっています。刺された後に塗る薬よりも、刺されないようにする予防グッズを準備してくることをお勧めします。
現地にて体調を崩してしまった場合
元気な状態で過ごすのが一番なのですが、やはり体調を崩してしまうこともあると思います。お腹を壊した場合は、下痢止めなどの薬をすぐに飲むよりは悪い菌を出してしまった方がいいとも言われています。メキシコでは、暖かいお茶(カモミールティ:manzanilla)がお腹に優しいと言われていて、簡単に手に入ります。
下痢になってしまうと体から水分と栄養が抜けてしまい、ますます体調が悪くなってしまいます。水分補給は大切ですが、その際にメキシコ人が口を揃えて進めてくるのが「スエロ」という飲み物です。経口補水液のことなのですが、スポーツドリンクよりも「スエロ」という名前の液の方が栄養吸収が高く、効き目があるとのことです。
しばらく休んでも、症状が回復しない場合は感染症に掛かっている可能性があるので、医療機関にかかる必要があります。薬を処方してもらい様子を見ることになるわけですが、薬代が結構掛かってしまいます。お医者さんのところに行けば診断書を書いてもらうことができるので、保険に入っている場合は治療費申請時に必要な書類も一緒に持って受診すると良いでしょう。
最後に
今回の内容は、「ひぃいいい、オアハカ、危険なのか?!」と思われたかもしれませんが、そんなことはありません。予備知識があると、これらの感染症などは避けることができます。むしろ、知らなかったがために体調を崩してしまい、しばらく寝込む羽目に、ということもあります。日本は蛇口から出た水を飲むことができて、「湯水のように使う」という表現があるくらい水のインフラが整っています。その感覚のままでやってきてしまったり、気をつけていても疲れなどがたまっていると、体調を崩してしまうこともあるのです。これからメキシコやオアハカに来ることを考えている方は是非、
- 水に対する知識
- 蚊対策
を万全にしてお越しください。万全にしていても、体調を崩してしまうことはもちろんありますし、お腹を壊すとなんだかメキシコの洗礼を受けたような気持ちにすらなります。できれば健康で過ごしたいですが、前にメキシコにかれこれ30年近く住んでいる方が
「25年以上住んでいても、たまに謎の下痢になるんだよなー」
と言っておられました。だから、仕方のないことなんだなぁ、という覚悟というのか諦めのような気持ちは必要なのかもしれません。
予防できる範囲のことをするしかありませんが、メキシコやオアハカにやってくる際の参考になれば幸いです。
それでは、良い1日をお過ごしください。
Instituto Cultural Oaxaca
日本人スタッフ あみ
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