昨日は久しぶりに晴れ間が広がったオアハカです。晴れ間が広がったと思ったら、容赦なく気温が上がります。暑いです。今日はまた怪しい雲行きになってきたし風も出てきたので、夕方には降るのではないかと思っています。
メキシコには今でも市場文化が残っているので、街には大抵mercado(メルカード)と呼ばれる市場があります。市場の中には、野菜セクション、果物セクション、魚セクション、肉セクションなどに分かれていて、まさに食の宝庫です。そのほかにも、花屋さん、チリの専門店、薬草のお店、ろうそくのお店など専門店がひしめき合っています。
(出典:México desconocido)
メルカードというと食べ物が売られているイメージが強いですが、メキシコのメルカードの中には、カバン屋さん、おもちゃ屋さんや文具屋さんなどが入っていることもあります。メキシコの文化の一つピニャータが上から吊るされて売られているシーンも珍しくありません。とにかく、メルカードは活気にあふれているてしかもカラフルなので、あてもなくうろうろとしているだけでなんだか楽しい気分になってきます。また、メルカードには「コメドール」と呼ばれる食堂が併設されているところも多く、地元の人に混じってメキシコ料理を安価に楽しむことができるのも魅力です。
その「メルカード」とは別に、オアハカには「ティアンギス」という文化が残っています。ティアンギスとは日本語で言うところの「青空市」と「蚤の市」が一緒くたになったような感じです。
その歴史はプレイスパニカ(先スペイン時代)にまでさかのぼります。ティアンギスという名前は、ナワトル語の市場を意味する"tianquiztli"という言葉から来ているのだそうです。
現在のティアンギスは、このプレイスパニカ時代の先住民族たちが行っていたものと、スペインを通じて伝わった中東のバザールの要素が混じり合って形成されているのだそうです。メキシコの3大壁画画家の一人ディエゴリベラの壁画にもこの「ティアンギス」の様子が描かれています。この絵の中で描かれている時代は、支払いはお金の代わりに物々交換などもされていたそうです。(この壁画はメキシコシティにある国立宮殿で見ることができます。)
(出典:nihil alienum)
おもしろいのは、そのティアンギスの様子が現在のそれとほとんど同じに見えるということです。人々が敷物を広げて、その上でものを売っていてたくさんのお客がうろうろして、2015年現在のティアンギスと変わりがないという……‼︎こんなにも長い間続いている文化を間近で見られるのはなかなか貴重です。
日本でも近年手作り市が各地で開催されることが多くなってきましたが、ティアンギスの驚くべき点の一つにその頻度が挙げられると思います。規模もかなりの大きさを誇るものばかりなので、初めて訪れるとびっくりしてしまうのですが、それが週一で開催されていると知るとさらに驚きです。昨日は何もなかったのに、ティアンギスの日には立派にお店が軒を連ねています。
(出典:Mexico Distinos)
そして、メルカード同様たくさんのものであふれています。野菜を売る人もいれば、民芸品を売る人もいるし、アンティーク(ガラクタ??)を売っている人たちもいます。野菜など、山盛りに置かれていることもあり、「どうやって持ってきたんだろうか」と素朴な疑問が浮かんだりもしますが、その山盛りの野菜や果物こそが旬のものなので、大量に安く買うことができるので嬉しいところです。
オアハカでは、市内や郊外の村々のどこかで毎日ティアンギスが開催されています。それぞれのティアンギスごとに雰囲気や売られているものが違うので、いろいろ訪れて見比べてみるのも面白いです。食べ物だけではなく、オアハカの民芸品が売られているティアンギスもあるので、売り手とのコミュニケーションを楽しみながら見て回ると楽しいと思います。
オアハカのティアンギスの開催日と場所はこんな感じです。
- 月曜日:テオティトランデルバジェ
- 火曜日:サンタアナデルバジェ
- 水曜日:エトラ
- 木曜日:サーチーラ
- 金曜日:オコトラン
- 土曜日:オアハカ(アバストス市場)
- 日曜日:トラコルーラ
また、金曜日にはICOから歩いて3分くらいのところにあるLlano公園というところでもティアンギスが開催されます。もう一つ市内で開催されているティアンギス、El Pochoteというオーガニックマーケットも人気です。こちらは金曜日と土曜日の開催で、ICOから歩いて15分くらいのところにある教会の前で開催されています。
オアハカには市場がいっぱいです。しかも、どの市場も人とものにあふれていて活気に満ちています。「姉ちゃん〜、安いよ〜」「さっ、なんにしましょ?」「買っておくれよ〜」と次々に話しかけられるので、最初はどう対応していいものかびっくりしてしまいますが、慣れてくると、売り手のおじさんやおばさんたちと世間話をしたり、商品についていろいろ尋ねてみたり楽しくなってきます。みんな優しいのでいろいろと教えてくれるので、街のお店での買い物とは一味違った町歩きが楽しめると思います。
それでは、良い一週間をお過ごしください。
Instituto Cultural Oaxaca
日本人スタッフ あみ
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