「今がピークだ、今がピークなんだ!!」と言い聞かせています。そう、今日も絶好調に暑いです。夕方に近づいて、風が出てきたのですがそれでも大気に熱がこもったままなのでなんだかぬるいです。
東京ではタコベルが再上陸したとかいうニュースを見ました。テクスメクス料理なので本場のメキシコ料理とは少し違いますが、日本でもメキシコ料理がもっと普及すればいいなと思います。メキシコ料理は日本人の口にとても合うと思うのですが、メキシコ料理屋さんはあまり日本にはないような気がします。(それとも、東京などにはやっぱりたくさんあるのでしょうか……?!)
ということをぼんやりと思っていたのは、この間「モーレ」を食べたからです。オアハカ(やプエブラ)はモーレが有名なのですが、そういえばこのモーレという料理は日本ではまったく馴染みがないなぁ、と思っていたのです。タコスなどは本場のものと形は変われど知名度が抜群ですが、モーレは知名度は低いです。
そもそも、「モーレ」ってなんなのかということですが、もともとはナワトル語(インディヘナの人たちによって話されていた言語)で「ソース」を意味する言葉なのだそうです。ワカモーレ(グヮカモーレ)と聞くと、「おお!」という感じがするかもしれません。(写真参照。)
(出典:Knorr)
「ワカ(グヮカ)」もナワトル語で、「アボガド」を意味する言葉です。ワカ+モーレで、アボガドのソースという意味になるのだそう。確かに言われてみれば、アボガドのソースですね。これをコーンチップ(トトポ)につけて食べるだけでとてもおいしいです。アボガドを潰して、タマネギやトマトを細かく刻んだものを入れて、ライムと塩で味を整えるだけという超簡単メニューで、おつまみにもおやつにもなるのでぜひぜひ試してみてください。コーンチップがなければ、クラッカーなどにつけてもおいしいです。
日本で「ソース」というと、ウスターソースや、お好み焼きソース、トンカツソースなどを思い浮かべますがこのソースという名の「モーレ」はもっとどろりとしていてソースというよりはカレーのルーのような印象です。一言でモーレといっても、いろいろな種類のモーレがあり、それぞれ作り方も味わいも全然違うので、メキシコ料理の奥深さを感じたりします。
以前、料理人のTさんという日本人がICOにスペイン語を学びに来られていた時があるのですが、その方はステイしていたホストファミリーの家族と料理のインテルカンビオ(文化交流)をしていました。つまり、メキシコ料理を教わる代わりに、日本の料理やその他の料理を教えるのです。その時に、このモーレを全種類マスターするのを目標に日々いろいろなモーレを習っていました。
↑写真のような感じで、市場でペースト状のものを買うこともできます。これを買ったら、コンソメを入れたお湯で溶けば簡単にモーレが作れますが、一から作ろうと思ったらそれはもう大変だそうで ……。
モーレには、ネグロ(黒)、ロホ(赤)、コロラディート、アマリージョ(黄)、ベルデ(緑)、チチロ、マンチャマンテルの7種類があります。モーレネグロを例に取ってみると、
玉ねぎ、にんにく、スパイス(シナモン、クローブ、黒胡椒、クミン)、乾草チリ、かぼちゃの種、ゴマ、ハーブ(イエルバサンタ:メキシコのハーブ、パクチー)、ドライフルーツ、チョコレートなど
が入っているのだそうです。私は完成したものしか見たことないので、どのような順番で、どのように作られるのかは見当もつかないのですが、見た目の想像以上に手間暇のかかる料理がモーレなのです。モーレネグロは、鶏肉にかけてご飯やトルティージャと食べられることが多いですが、その独特の味わい(チョコレートの入った料理は日本人にとっては馴染みがないので、独特と表現せざるを得ません。)は、最初は「なんだかよくわからない不思議な味がするなぁ」という感じなのですが、慣れてくると癖になるので、オアハカに来たらぜひともこのモーレを賞味してもらいたいと思います。
(出典:トリップアドバイザー)
このように、数種類のモーレを食べ比べたりもできるので、いろいろ味わってみるのも面白いかもしれません。
私はこの間、コロラディートというモーレの料理を食べました。豚肉に豪快にモーレがかかっているのですがとてもおいしかったです。ほんのりとあるピリ辛がまた絶妙でよかったです。
料理が好きな人はオアハカに来たら「たまらんっ‼︎」という気持ちになる人が多いようです。料理人Tさんも、いろいろな食材を眺めては「あれとあれをこうしたら絶対美味しいはず……」と常に目新しい食材をどう調理するかを考えていたし、アメリカでメキシカンレストランを営んでいるというアメリカ人のシェフも「あそこの◯◯は最高にうまいぞ‼︎」と興奮気味に教えてくれたりしました。料理好きや、私のようなただの食いしん坊にもおすすめの食の豊かなオアハカです。
それでは、良い一週間をお過ごしください。
日本人スタッフ あみ
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