雨が降ると気温が下がるので、旅の途中でスペイン語勉強している生徒さんたちはダウンジャケットをきてきたりしています。荷物をコンパクトにするために夏か冬に対応する服しか持ってきていないので、Tシャツ or ダウンジャケット、などということになっているのだと思います。旅人に春秋は存在しないのですね。
しかしこの季節の変わり目というのは、気温の変化が激しく暑い日があったと思えば、急に寒くなったりするので体調を崩しやすい時期でもあります。オアハカにいる人、あるいはこれからいらっしゃる人は暑さと寒さに対応できる服装がおすすめです。急な雨(と言っても、降るのはほぼほぼ夕方から夜にかけてですが)に対応できるよう折り畳み傘などがあると便利です。
さて今日は、テオティトランデルバジェのことを書こうと思います。カタカナで書くとなんだか呪文のような感じがしますが、オアハカ郊外にある村の名前です。
テオティトランデルバジェの教会 |
オアハカにはたくさんの工芸品・民芸品がありますが、各村にそれぞれあるのではないかというくらいに豊富です。使われる素材も技術も実に様々です。村巡りはオアハカ留学の醍醐味と言っても過言ではないくらいに楽しく、素敵なものに出会えるだけでなくそこにクラス人々の暮らしぶりを見ることができたり実際に話を聞くことができたりと新しい発見がたくさんあります。
テオティトランデルバジェ
オアハカの工芸品の中でも特に有名なのがタペテと呼ばれる羊毛を使って織られたラグではないでしょうか。このタペテを作っていることで有名なのは、テオティトランデルバジェという村です。
出典: EL ORIENTE |
オアハカ市から東に30キロほど離れたところにある人口約5,600人(2005年)の村です。村の大半の人が織物に携わっていると言われています。確かに、テオティトランの村ではいたるところで織り機や染色された羊毛が干されているのを見かけます。
染めは、商業的な製品用には化学染料を使われる場合もありますが、自然染料を使って染められることが多く果物や植物、あるいはコチニールなどが使用されます。自然染料のものは化学染料のものよりももちろん値段は上がるのですが、なんとも言えない絶妙な色味が出て本当に美しいです。
織物業をしている家庭はそれぞれの家に織り機が置いてあり、店を構えていない人たちもいます。作り手の方と知り合って家を訪ねてみると、本当に普通の家の中で作業している様子は予想していない光景だったので、初めて見た時にはびっくりしたのを覚えています。
大きな鍋の中で糸を染める様子を見せてもらえたり、どの植物がどんな色に染められるのかを教えてもらえたりと、驚きの連続です。この植物からこんな色が……!と目を丸くすると同時に、一つ一つの工程に途方もない手間暇がかけられていることを知り、もはやため息しか出ません。このような工程を見せてもらうと、今まで何気なく見ていたタペテが技術と手間の塊のように見えてきて、どれを持って帰ろうかとわくわくしながら眺めている自分に気がつきます。
家族の中での分業制で、染めや織りの技術は、親から子へと受け継がれていくのだそうです。羊毛を染めるところから、織り、そしてカバンなどの製品などに加工する場合はその縫製も家庭で行われるので驚きです。同じ村で作られていても作り手によって全然スタイルも違うので、いろいろ見ているうちに自分の好みと合う作り手の方に出会えると思います。
織物はスペイン語で「テヒード」というのでいつもテヒードと呼んでいたのですが、このテオティトランデルバジェの織物の技術というのは日本にもあるのだろうか、と思っていたらICOに来ていた生徒さんの中に芸大卒で染色をやっていた人がいるではありませんか!つくづく、ICOには色々なバックグラウンドの方が来るもんだなぁ、と感心します。オアハカがこのような街だからなのか、芸大卒、織物マニア(マニアというと語弊がありますが、めちゃくちゃ極めてらっしゃいました)、アーティスト、雑貨好き、サルサ好き(実はオアハカはサルサのレベルも世界的に高いのだそうです!)、外大生、など本当に面白い人たちが集まって来ます。
話がずれましたが、その芸大卒の彼女に教えてもらったところ、テオティトランでおられている技法は「つづれ織り」というのだそうです。
ちなみにその彼女、もえさんは「オアハカに恋して」というブログでオアハカの情報を発信されています。カラフルで見ているだけで元気が出るので、オアハカの情報を探しているという方はぜひのぞいてみてください。
織物はスペイン語で「テヒード」というのでいつもテヒードと呼んでいたのですが、このテオティトランデルバジェの織物の技術というのは日本にもあるのだろうか、と思っていたらICOに来ていた生徒さんの中に芸大卒で染色をやっていた人がいるではありませんか!つくづく、ICOには色々なバックグラウンドの方が来るもんだなぁ、と感心します。オアハカがこのような街だからなのか、芸大卒、織物マニア(マニアというと語弊がありますが、めちゃくちゃ極めてらっしゃいました)、アーティスト、雑貨好き、サルサ好き(実はオアハカはサルサのレベルも世界的に高いのだそうです!)、外大生、など本当に面白い人たちが集まって来ます。
話がずれましたが、その芸大卒の彼女に教えてもらったところ、テオティトランでおられている技法は「つづれ織り」というのだそうです。
ちなみにその彼女、もえさんは「オアハカに恋して」というブログでオアハカの情報を発信されています。カラフルで見ているだけで元気が出るので、オアハカの情報を探しているという方はぜひのぞいてみてください。
つづれ織りとは……?
織物に従事していないので、「つづれ織り」と聞いてもピンとこないのですが調べてみると西陣織でもつづれ織りという技法があるようなのです。
西陣織といえば京都のあの!
です。
西陣織にピンと来たところでそれ以上のことは何も知らないのですが、つづれ織りとは「横糸だけで文様を表現する」織物のことなのだそうです。小玉紫泉つづれ織り工房さんのウェブサイトにつづれ織りについて詳しく書いてあったので下記歴史を引用させていただくと、
つづれ織の起源はエジプトだと言われています。紀元前15世紀の王墓からつづれ織の衣類などが見つかっているそうです。その後、各地に広がっていき、東洋にはシルクロードから伝わったのです。東洋に伝わるころには用いる糸も、西方の毛糸から東洋の絹糸へと変わり、技術も発展して東洋独自のつづれ織が完成していきました。とのことでした。今まで見ていたテオティトランデルバジェの織物の技術の起源がエジプトにあったかもしれないだなんて、なんかロマンがあるなぁ、とちょっと感動してしまいました。
日本への伝来は飛鳥時代だと言われています。遣隋使や遣唐使が持ち帰ったものと考えられています。しかしながら、その後つづれ織は見られなくなりました。
現在につながるつづれ織の発祥は江戸時代の西陣でした。このころの西陣は製作技術も中国をも凌ぐ勢いで、多くの人から重宝される製品を多く作っていました。
エジプトの「コプト」 出典:龍村美術織物 |
小玉紫泉さんに伺ったところ、『西陣織には「機械織り」と「手織り」があり、「手織り」の中に「手織り」と「すくい織り」があり、「すくい織り」の中に「すくい織り」と「つづれ織り」がある』のだと教えていただきました。「織り」と一言で言ってもこんなにも細分化されていくのですね。やはり、一つの道は探るほどに深いです。
出典:小玉紫泉つづれ織り工房 |
上は西陣織のつづれ織りの様子です。やはり羊毛と違って糸が細いので細やかな印象を受けますが、使われている織り機などはテオティトランで使われれているものとよく似ています。(下写真)
織り機(日本) 出典:小玉紫泉つづれ織り工房 |
織り機(テオティトランデルバジェ) |
作り手の方に会う!
手工業が盛んなオアハカ。逆にいうと、産業と呼べるものが観光業と手工業しかないというのも事実です。日々の仕事は彼らの生活に密接に結びついています。
膨大な手間暇をかけ丹精込めて作られる作品はどれも世界に一つしかなく、その作る様子を結構簡単に見せてもらえるというのはめちゃくちゃ贅沢です。オアハカににいらっしゃった際はぜひとも村を訪れてみてくださいね。
また、テオティトランデルバジェにはタペテの他にも「ダンサデプルマ(羽の踊り)」と呼ばれる踊りがあったり、美しい花の形にかたどられたろうそくなどもあったり小さな村ですが見どころは色々あります。ダンサデプルマなどを見ようと思うと、やはり村のお祭りの時などに訪れなりませんが、ぴょんぴょんと跳ねるダンスは迫力があってめちゃくちゃかっこいいので必見です。(オアハカ市内でみたいという場合は、7月のゲラゲッツァ祭りの時に見ることができます。)
テオティトランデルバジェへは、バスまたはコレクティーボタクシーで行くことができます。小さなのどかな村です。サポテコ語を話す人たちが多くいますが、バイリンガルの人も多いのでスペイン語でコミュニケーションをとることができます。
それでは、良い一週間をお過ごしくださいね。
Instituto Cultural Oaxaca
日本人スタッフ あみ
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