2015年4月27日月曜日

チョコレートを使った不思議な料理「モーレ」

こんにちは。

「今がピークだ、今がピークなんだ!!」と言い聞かせています。そう、今日も絶好調に暑いです。夕方に近づいて、風が出てきたのですがそれでも大気に熱がこもったままなのでなんだかぬるいです。

東京ではタコベルが再上陸したとかいうニュースを見ました。テクスメクス料理なので本場のメキシコ料理とは少し違いますが、日本でもメキシコ料理がもっと普及すればいいなと思います。メキシコ料理は日本人の口にとても合うと思うのですが、メキシコ料理屋さんはあまり日本にはないような気がします。(それとも、東京などにはやっぱりたくさんあるのでしょうか……?!)

ということをぼんやりと思っていたのは、この間「モーレ」を食べたからです。オアハカ(やプエブラ)はモーレが有名なのですが、そういえばこのモーレという料理は日本ではまったく馴染みがないなぁ、と思っていたのです。タコスなどは本場のものと形は変われど知名度が抜群ですが、モーレは知名度は低いです。

そもそも、「モーレ」ってなんなのかということですが、もともとはナワトル語(インディヘナの人たちによって話されていた言語)で「ソース」を意味する言葉なのだそうです。ワカモーレ(グヮカモーレ)と聞くと、「おお!」という感じがするかもしれません。(写真参照。)

(出典:Knorr


「ワカ(グヮカ)」もナワトル語で、「アボガド」を意味する言葉です。ワカ+モーレで、アボガドのソースという意味になるのだそう。確かに言われてみれば、アボガドのソースですね。これをコーンチップ(トトポ)につけて食べるだけでとてもおいしいです。アボガドを潰して、タマネギやトマトを細かく刻んだものを入れて、ライムと塩で味を整えるだけという超簡単メニューで、おつまみにもおやつにもなるのでぜひぜひ試してみてください。コーンチップがなければ、クラッカーなどにつけてもおいしいです。

日本で「ソース」というと、ウスターソースや、お好み焼きソース、トンカツソースなどを思い浮かべますがこのソースという名の「モーレ」はもっとどろりとしていてソースというよりはカレーのルーのような印象です。一言でモーレといっても、いろいろな種類のモーレがあり、それぞれ作り方も味わいも全然違うので、メキシコ料理の奥深さを感じたりします。

以前、料理人のTさんという日本人がICOにスペイン語を学びに来られていた時があるのですが、その方はステイしていたホストファミリーの家族と料理のインテルカンビオ(文化交流)をしていました。つまり、メキシコ料理を教わる代わりに、日本の料理やその他の料理を教えるのです。その時に、このモーレを全種類マスターするのを目標に日々いろいろなモーレを習っていました。

(出典:A Gringo In Mexico.com

↑写真のような感じで、市場でペースト状のものを買うこともできます。これを買ったら、コンソメを入れたお湯で溶けば簡単にモーレが作れますが、一から作ろうと思ったらそれはもう大変だそうで ……。

モーレには、ネグロ(黒)、ロホ(赤)、コロラディート、アマリージョ(黄)、ベルデ(緑)、チチロ、マンチャマンテルの7種類があります。モーレネグロを例に取ってみると、

玉ねぎ、にんにく、スパイス(シナモン、クローブ、黒胡椒、クミン)、乾草チリ、かぼちゃの種、ゴマ、ハーブ(イエルバサンタ:メキシコのハーブ、パクチー)、ドライフルーツ、チョコレートなど

が入っているのだそうです。私は完成したものしか見たことないので、どのような順番で、どのように作られるのかは見当もつかないのですが、見た目の想像以上に手間暇のかかる料理がモーレなのです。モーレネグロは、鶏肉にかけてご飯やトルティージャと食べられることが多いですが、その独特の味わい(チョコレートの入った料理は日本人にとっては馴染みがないので、独特と表現せざるを得ません。)は、最初は「なんだかよくわからない不思議な味がするなぁ」という感じなのですが、慣れてくると癖になるので、オアハカに来たらぜひともこのモーレを賞味してもらいたいと思います。


このように、数種類のモーレを食べ比べたりもできるので、いろいろ味わってみるのも面白いかもしれません。

私はこの間、コロラディートというモーレの料理を食べました。豚肉に豪快にモーレがかかっているのですがとてもおいしかったです。ほんのりとあるピリ辛がまた絶妙でよかったです。

料理が好きな人はオアハカに来たら「たまらんっ‼︎」という気持ちになる人が多いようです。料理人Tさんも、いろいろな食材を眺めては「あれとあれをこうしたら絶対美味しいはず……」と常に目新しい食材をどう調理するかを考えていたし、アメリカでメキシカンレストランを営んでいるというアメリカ人のシェフも「あそこの◯◯は最高にうまいぞ‼︎」と興奮気味に教えてくれたりしました。料理好きや、私のようなただの食いしん坊にもおすすめの食の豊かなオアハカです。

それでは、良い一週間をお過ごしください。

Instituto Cultural Oaxaca
日本人スタッフ あみ

2015年4月20日月曜日

メキシコのスイカ割り?!くす玉?!「ピニャータ」

こんにちは。

すっかり、暑すぎるオアハカ……。建物の中はまだ風が抜けるので涼しいのですが、外があんなに暑いとは……。昼ご飯を調達しようと外に出てみて初めて気が付きました。目当ての屋台に行くと、「いやぁ、暑いねぇ」「暑すぎるわよーー」というフレーズが決まり文句のように交わされます。日本と違い、湿気は低いのですが不快な暑さではないのですが、油断するとすぐに脱水症状にでもなってしまいそうな灼熱の暑さです。

ビニールシートで日よけがしてあるものの、そばですぐに炭火で調理しているのですから暑いなんてものではないでしょう……。でもはやり、暑くても温かい食事をとるのはいいものです。そして、オールチャータがいつもよりもおいしく感じます。

さて、先日の金曜日はアメリカから来ていたグループの学生の最終日でした。最後なので、ピニャータを割るミニフィエスタが行われました。

「ピニャータ」は言葉の響きがなんとなくかわいいので好きな単語のひとつなのです。Wikipediaによると、

メキシコや中南米の国の子供のお祭り(誕生日など)に使われる、中にお菓子やおもちゃなどを詰めた紙製のくす玉人形

とあります。ピニャータという語源は、イタリア語なんだそうで「土鍋」を意味するのだそうです。ピニャータといえば、カラフルな人形や星の形のイメージなので 「土鍋」と聞くと、え?なんで??と思ってしまいますが、もともとは「主人が使用人に日頃の感謝を込めて土鍋に果物などを詰めてプレゼントしていた習慣が元になった」そうなのです。

その語源の通り、確かにクリスマスの時にピニャータを作っていた時は中に土でできた壺を使っていました。もともとはあれは土鍋で「はい、どうぞ」とプレゼントされていたのに、どこでどうなって今はそれを綺麗に飾り付けて、最終的に棒で叩き割ることになったのか、面白いものですね。

そう、ピニャータは日本のスイカ割りとくす玉を足して二で割ったような遊び方をするのですが、目隠しをして中に入っているお菓子やおもちゃを棒で叩き割って獲得します。スイカも割るとかなり迫力がありますが、可愛らしい人形が叩かれてボロボロになっていく様子や、最後にザーーーっとお菓子が上から降ってくる様子も、スイカ割りとはまた違う迫力で面白いです。

それでは、ピニャータの様子をダイジェストで……。

メルカード(市場)で売られているピニャータはまだ中に何も入っていません。なので、まずは背中に切れ込みを入れて、そこからお菓子を投入します。日本でピニャータを作ったことがあったのですが、風船を使って丸い形を作ったので、本場メキシコのピニャータもそうなのかと思いきや、人型のピニャータの中にはしっかりと壺が入っていました。このお尻の丸みは壺によるものです。

クリスマスの時は、伝統的なピニャータだから伝統的に壺を使うのかと思いきや、壺を使うのがデフォルトのようです。どうりで、持った感じが妙にずっしりするなぁと思っていました。確かに、紙だけでピニャータを作ると形を作るのが難しい上に、強度を上げると今度は割れにくくなってしまい、お菓子が綺麗に出てきません。だから、壺を中に入れるのが一番理にかなっているのかもしれません。

目隠しをして、年齢の数だけぐるぐると回されて平衡感覚がなくなったところで(これは、スイカ割りと同じですね。)スタート。通常は、ピニャータの歌があるのですが、今回は無しでした。

スイカ割りと違うところは、上から紐で吊るされていてその紐を操作する人がいるのです。だから、人形は上下に動いて狙いが定めづらくなります。スイカ割りだと、「右、右‼︎‼︎」とか「もっと左‼︎」とみんながヒントを出しますが、ピニャータの場合「もっと上だーー‼︎」とか、「下だーーー‼︎」となるので面白いです。


思いっきり叩いた結果、上半身と下半身にわかれてしまうという事件が。それでも笑っているこのピニャータに、なんだか哀愁を感じずにはいられません。


下半身はこんな感じで残りました。気を取り直して、再開。


こんな感じで、紐を引っ張る人次第で、人形が上下に動きます。



しかし、中学生はすごい。野球の素振りのごとく思いっきりスウィング&ジャストミート‼︎


お姫様。子どものフィエスタに欠かせないというだけあって、ディズニーシリーズはやはりよく見かけます。これは、シンデレラと思われます。



「ここにあるからね」と人形の位置を確認してからスタート。(どうせめっちゃ動くので、あんまり確認させられる意味もないような気もするのですが……。)



壺が割れると中からお菓子が落ちてきます。大学生ともなると、自分の好きなお菓子を選んで取っています。



次の犠牲者は、美女と野獣のベル。


今回は、壺だけが綺麗に割れたのでベルの損傷は少なかったです。

壺が割れると危ない気がするのですが、破片が激しく飛び散ったりしないので意外と安全でした。陶器だと破片が飛んできたりすると危ないですが、土の壺なのでその心配はありませんでした。

お姫さまの足を拾いました。なっかなか頑丈な作りです。 クラフトペーパーより少し薄い紙と新聞でがっちりと形が作られ、最後は色付きの薄紙で適当に覆われています。こんなに手間をかけて作られてあるのに、最後は破壊されて終わりなのですね。

ピニャータ、みじかなもので作れたりもするので、これから行楽の季節ぜひぜひピニャータを作ってピクニックなどに出かけてみてはいかがでしょうか。ピニャータの作り方の参考はこちら→http://www.pinatanet.com/pinata/hacer.html

スライドショーはこちらから(日本人の方が作られていますが、めちゃくちゃ仕事がていねいでびっくりです。)→http://www.pinatanet.com/foto/pinata/index.htm

メキシコの市場で見るピニャータ屋さんの風景はなかなか圧巻でおすすめです。そして、「君は、もしかしてスポンジボブだよな?」とおもわず確認を取ってしまいそうなくらいうっすら似ているゆるキャラが満載です。キャラクターが多い、やたらと擬人化する、という点ではメキシコと日本はもしかすると似ているかもしれません。


(出典:Alianza.mx)

ピニャータのことが少しでも伝わったでしょうか。日本でもぜひパーティにピニャータを取り入れてみてくださいね。かいつまんで遊び方などを解説するとなんとも残酷なゲームに聞こえてしまいますが、みんなの笑顔があふれる楽しいゲームですよ。

それでは、良い一週間をお過ごしください。

日本人スタッフ あみ

2015年4月15日水曜日

スペイン語、参考書はどれを……?!

こんにちは。

今日は、雨の音で起きました。朝から雨が降っているのは珍しいです。今はやんでいますが、また降り出しそうな様子です。涼しいのでありがたいですが、この時期に雨なんて、なんだか変な天気だなぁという感じです。

昨日、アマラントのことを書いて以来、アマラントが無性に食べたいです。おいしいものがある国を旅したり、住んだりするのはいいです。食べ物に困ると生活や旅が苦しくなりますが、それがないととても快適です。

さて、今日はスペイン語学習に役に立つ本を紹介したいと思います。ICOではスペイン語のみの授業が行われるのですが、全くのスペイン語初心者で始めた場合は、日本語で文法などが解説してある本が意外と重宝します。

参考書は自分に合う合わないがあるので、自分で本屋さんに足を運んでページをめくってみるのが一番だと思いますが、大きな書店以外ではあまり取り扱いがないためいい本に巡り会うのが少し難しいので、もしネットで参考書を探す際の参考になればと思います。あくまでも私個人の意見なので何となく参考にしていただければ幸いです。

1)初めてのスペイン語(CDブック)/山内路江、野中イザベル(ナツメ社)

スペイン語の参考書はやはりスペインのスペイン語本が圧倒的に多いです。この本も、サグラダファミリアの絵からお察しの通り、スペインのスペイン語です。メキシコや南米では使われない活用が載っていたり、読み物がスペインの文化のことだったりするものの、基本的な文法がしっかりと押さえられていて、解説もわかりやすいので独学の際の入門書としてはとても役に立つと思います。

CDがついていたり、最後には簡単なスペイン語の読み物でリーディングの練習もできるので入門書の中ではかなり充実した内容です。

たまに日本人の生徒さんに貸し出しているのですが、使いやすいと評判がいいです。全くスペイン語に触れたことがないという人はこのような参考書を一緒に持ってきておくと自主勉強の際に学校のテキストと合わせて効率的に勉強することができます。

2)旅の指差し会話帳28「メキシコ」/コララテ(情報センター出版局)

指差し会話帳、なにげにめちゃくちゃ役に立ちます!!どこのページだったかな、と必要なページを探すのに時間がかかったりして最初はまどろっこしいなと思うときもあるのですが、使いこなせばかなり強い味方になってくれます。なぜならば……!!他の国のガイドブックや参考書にはないイラスト満載の日本ならではの本だからです。

カラーでみやすいのに加えて、ちょこまかといろんなところに挿絵で描かれているイラストがかなり食いつかれます。また、スペイン語はスペイン語でも「メキシコ」のスペイン語なので、スラングやメキシコならではの表現も載っていたりして、それもウケるポイントです。

参考書というよりは、コミュニケーションのツールにあるとうれしい一冊です。

3)イラスト会話ブック「メキシコ」/JTBパグリッシング

指差し会話帳と似ていますが、こちらの本は巻末に日本文化をスペイン語で紹介するページがあるので、日本の文化の話になったときにとても強いです。

メキシコ人の日本人に対する印象はおおむね良く、遠い国に興味津々です。でも、文化のことを説明するのはなかなか難しいのでこの本がかなり助けてくれます。ホームステイ先、あるいはインテルカンビオをする際にとても重宝する一冊です。

おまけ)501 Spanish Verbs

スペイン語は、動詞の活用がとにかく多い言語です。時制もたくさんあるので、それに伴って活用の種類はものすごい数に……。ということで、欧米人がかなりの確率で持ってくるのがこの本。501の頻出動詞とその活用が一挙に書き出されているという本です。一目で分かるので確かに便利。

分厚い辞書級の大きさと重さなので知識とともに体力もつきそうな一冊です。活用辞典はもっと小さいのもありますが、「1ページですべての時制の活用が見られる」というのが人気のポイントらしいです。


紙は意外と重いのでパッキングの際に持っていくかどうか迷うところです。しかし、オアハカでは日本語関連の辞書や参考書は購入できるところがないので、それをふまえて持っていくのかどうかを決定するといいと思います。

日本人スタッフ あみ

2015年4月14日火曜日

メキシコの食を紹介!!メキシコの「おこし」こと「アマラント」について。

こんにちは。

あっという間に4月も中盤戦に差し掛かりそうです。先週まではセマナサンタで世間はお休み。ということで、街には人があふれかえっていました。

それにあわせてフェリア(市)がいろいろ立っていたのが面白かったです。オアハカはアルカラ通りという歩行者天国を中心に街の中心部が整備されていて、レストランやカフェ、小さなお店などがすべて徒歩圏内にあるので普段から町歩きは面白いのですが、休みや人が集まる季節になるとこうしてフェリアもやってくるのでさらににぎやかになります。

サントドミンゴ教会のすぐ南側では民芸品や食べ物のフェリアが開催されていました。食べ物フェリアは、蜂蜜や無添加のジャム、ナッツや干果物など健康食品の販売が多いです。その中で私の好きなお菓子の「アマラント」というものがあります。

(出典:diabetes)

食べ物のフェリアのときにこのアマラントはよく出ています。普段から立っているお菓子の屋台の定番でもあります。

これを初めて食べたときの最初の感想は「おおお、これは……!!岩おこし!!」。

(出典:あみだ池大黒

岩おこしは、大阪の名菓ですが、おこしとは「米や粟を熱して干した後、熱した砂糖や水飴に混ぜて、型に入れ乾燥させた干菓子」のことです。アマラントは、このおこしにとても似た味わいです。ショウガの風味の抜けた柔らかいおこし、といった感じです。食感は岩おこしの方が「岩」と名乗るだけあってかなり固いですが、アマラントを食べるとなぜか懐かしい気持ちになります。

アマラントは、日本では「アマランサス」という名前で手に入れることができるそうです。疑似穀物という部類に分類されていて、栄養価が高く、健康食品としても注目されているようです。おこしのようにして食べるのではなく、お米を炊くときに一緒に入れる調理法が紹介されていました。アマランサス、今日初めて調べてみたのですが、インターネットはすごいですね。アマランサスの「まとめ」まで存在していたので驚きました。→こちら 何でもあるもんですね……。

南米では、インカ帝国の時代から食用にされてきたのだそうです。メキシコでもプレイスパニカ時代(前スペイン時代)から食され、一部の地域では伝統医療などにも使われてきたそうです。ただの素朴なお菓子ではなかったのですね。

この間、チアシードについて少し触れましたが、チアシードにしろアマラントにしろ、メキシコで日常的に食べられている食材には、日本やその他の国で注目の健康食品が多いので驚きですね。変わり種ではありますが、タバスコスパイシーチョコレートなんていうものも話題にあがっているようですし、食の話題に事欠かないメキシコです。(タバスコはメキシコの州の名前ですが、タバスコスパイシーチョコレートは、アメリカが原産です。)

(出典:gettyimages

話はそれましたが、ちなみにアマラント(アマランサス)はこんな見てくれをしているそうです。なんか、意外でした。栄養価も高いとのことだったので、安心して食べられますね。

一番最初の写真のようにメキシコのアマラントはピーナツなどのナッツも一緒に固められたり、チョコレートと絡められたその名も「チョコラント」なるものが売られていたりバリエーションも豊かです。そして、チョコラント、おいしいですよ〜〜!!

軽いし、お値段もお手頃なのでお土産にもおすすめです。メキシコに来たら、ぜひとも「アマラント」を賞味してくださいね。

それでは、よい一週間をお過ごしください。

日本人スタッフ あみ

2015年4月7日火曜日

オアハカの民芸品「アレブリヘ」を自分で彩る!!

こんにちは。

蚊が増えてきました。気温が上がるのにしたがって、蚊が増えてきました。(2回でも3回でもしつこく言いたくなるくらいに増殖中です。)ぷーん、というあの羽音に安眠を妨げられるのは世界中のあるあるなのでしょうか。メキシコにも蚊取り線香があります。ラベンダーの香りを買ってみたのですが、たいているうちに目が痛くなります。しかも、蚊も余裕でその辺を飛び回っているので、効き目があるのかどうか怪しいところです。昨年も蚊にはずいぶん悩まされたので、今年は何か対策をしたいところです。蚊取り線香ならぬ、蚊取りボトルというのが簡単に作れるそうで、かなり効果的らしいので近々試してみたいと思っています。

さて、この間のブログにも少し書きましたが、オアハカでは今民芸品のフェリア(市)が開催されています。伝統的なウイピルや民芸品がオアハカ州の様々なところから集まってきています。まさに、「一堂に会する!!」という感じでかなり見応えがあります。(見ているとあれもこれも欲しくなってしまうので危険です。)

アルカラ通り

オアハカ市近郊の村からもたくさんのお店が集まっています。やはり、カラフルでひときわ人目を引くのはアレブリヘです。いろいろ見ていると、置物のタイプもあれば動物の顔のキーホルダーになったようなものもあったり、マグネットになっていたりバラエティ豊かです。

驚いたのが、色を付ける前のアレブリヘのみを売っているお店もあったことです。だいたいきれいに色を付けられたものが売られているので、動物の形をした木がずらりと並んでいるのを見ると、妙な迫力がありました。確かに、いろいろ絵付けされてあるのを見ていると自分でも色を塗ってみたいと思うのも無理はありません。しかもオアハカはアートの街なので、ギャラリーやお店見ているうちに自分でも何か作ってみたいという気持ちが不思議とわいてきます。木から形を切り出すのはさすがに素人には無理ですが、色付けなら気軽に楽しめそうです。

この民芸品フェリアの面白い点の一つに、作品や商品を売っているだけではなく店番をしながらも次々と作品が生み出されているということをあげたいと思います。こちらが近づいて話しかけたり質問をしたりすると、その都度手を止めていろいろ説明をしてくれます。そして、完成したそばから売れていったりもします。だから、毎日通っても同じものがないので、ついつい足を運んでしまいます。手作りの素朴さは民芸品の大きな魅力です。



ICOでは、今週はアレブリヘの絵付けのワークショップが行われています。自分の気に入った木を選んで色を付けていきます。先生はアラソラというアレブリヘで有名な村から来てくれています。


先生の作品の中に「mingei museum」と書いてあり、「なんでーー?!これ日本語じゃないですか?!」と聞いてみると、以前日本で出店したことがあるとのこと。民芸ミュージアムか〜、どこの民芸館か気になります。

また文字ばかりになってしまったので、過去の生徒さんのアレブリヘの作品を紹介します。

オーストラリアの女の子作。ユニコーン??いや、角が2本あるから違う……。
馬??


アメリカ人男の子作。アルマジロ。細い筆で細かい模様が美しい〜!!

イギリス人女の子作。アルマジロ。同じアルマジロなのに、作り手がかわるとこんなに印象が変わるのですね。目の形が違うだけで、雰囲気が全然違うーー!!

↑の女の子の2つ目の作品。作者が一緒でもずいぶんと違った雰囲気になります。

韓国人の女の子作。写真立て。大きな作品だったので苦労していましたが、出来上がりは繊細な素敵なものに仕上がっていました!!

日本人の女の子作。さかな。こんなにキュートな目をしたアレブリヘは未だかつて見たことがありません!!お花もいっぱい散らしてあって、めちゃくちゃ細かいですよーー!!

アメリカ人の男の子作。なんでしょう、醸し出される、このシュールな感じは……?!

日本人の女の子作。パステルカラーのアレブリへは見かけたことがないのでなんだか新鮮です!!上の猫と同じはずなのに、絵付けでこんなにも雰囲気が変わるのですね。ということを強く感じさせられます。


どの作品も味があって、そして世界に唯一のアレブリヘなのでいい記念になります。部屋にちょこんと飾るだけでオアハカの風が吹くようです。

そして最後に、こちらは先生の作品。たこ。ドットだけで描かれているのですがめちゃくちゃかわいいです。裏っかわにはちゃんと吸盤が描かれていて、それもまた素敵。

4月もあっという間に1週間が過ぎました。それでは、良い一週間をお過ごしください。

Instituto Cultural Oaxaca
日本人スタッフ あみ

2015年4月6日月曜日

セマナサンタ【プロセシオンデシレンシオ】

こんにちは。

昨日は、4月の第1週目というわけで、Day Light Savingこと夏時間が始まりました。時計を1時間早くするのか、遅くするのか、なんと表現していいのかよくわからないのですが、昨日まで9時だった時間は、昨日からは10時です。日本との時差が1時間縮まったことになります。

それにしても、先週は連日ものすごい人が街にあふれていました。セマナサンタは世間では大型連休なので、とにかく観光客が急増します。露天の人たちも「今が、かきいれ時!!」とばかりに、夜になるとどこからともなく現れて道にお店を広げていました。街歩きをする側にとっては、いろいろなお店が出ているので楽しかったです。

さて、金曜日はプロセシオン(宗教行列)が行われました。遅れて到着したので、すでに沿道にはたくさんの人々。全然前が見えないなぁ、と思いながらも行列が始まりました。この行列は、キリストが磷付になったゴルゴダの丘への道のりを再現したもので、十字架を背負った人や、血みどろのキリストの像が山車のように担がれます。厳かな様子で様々な教会のキリスト像や聖母ソレダーが目の前を通り過ぎていきます。

シレンシオ(静寂)というだけあって、かなり厳かな雰囲気です。

こちらは、キリスト像。

この日はちょうど満月。行列がよく見えないなぁ、とふと目をそらすと、サントドミンゴ教会の後ろからまん丸な月が昇ってきていました。これも行列に負けるとも劣らない美しさでした。

プロセシオンが通り過ぎて、晩ご飯を食べてからソレダー教会へ足を運んでみました。マントの下をくぐれると思ったのですが、居合わせた人に聞くと「それは昨日だよ」と言われてしまいました。そして、ビルヘンもまだ行列から帰ってきていませんでした。

でもせっかくソレダー教会まで来たのだからとニエベ(オアハカ名物のアイスクリーム)を食べて帰りました。ソレダー教会の前にはニエベ屋さんがたくさんあります。各店舗様々な味があるのでどれを食べようか迷ってしまいます。2つの味を入れてもらうこともできるので、1つにしぼりきれない人はハーフ&ハーフにするのがおすすめです。

この日は、レチェケマーダとチョコレート。チョコレートは少し置きにいった感がありますが、無性に食べたかったので……。レチェケマーダの、ケマーダ「焦げた」と言う意味です。つまり、「焦げた牛乳味」ということになるのですが、本当に焦げた牛乳の味がするので本当に不思議です。こんなにも白いのにーーー。謎です。オアハカに来たらぜひ試してみてください。焦げ牛乳味のアイスを。

街では、民芸品のフェアリア(市)も立っていて、それは4月12日までとのことなのでまたまた足を運んでみようと思います。オアハカ中のいろいろなところから民芸品が集まっています。オアハカ州もなかなか広いので、オアハカにいるからと言って州じゅうの民芸品がみられるわけではないのです。なので、このようなフェリアが立ったときこそオアハカ市近郊の民芸品以外をみるチャンスです。今回、私的にとてもつぼにはまっているのがピノペパという海沿いの街の民芸品です。ヒカラ(瓢箪みたいな殻)にいろいろな動物たちが描かれてあるのもかわいいし、織物のデザインがすばらしいです。海沿いの街なので、デザインには海の生物も多く登場していて、それが何ともゆるい雰囲気を醸し出していていい〜〜!!日本でもメキシコ雑貨を多く見かけるようになってきましたが、この辺りの地域のものはあまり見かけないのではないでしょうか。

ピノペパ、いつか訪れてみたいですが、オアハカ市から12時間もかかるのだそう。うーん、メキシコ、広い!!だから、こういうフェリアが開催されるのはありがたいですね。この次大きな民芸品のフェリアが立つのは7月(ゲラゲッツァの時期)だとお店の人が言っていました。ゲラゲッツァにあわせてのオアハカ行きをぜひぜひ検討してみてくださいね。

それでは、良い一週間をお過ごしください。

日本人スタッフ あみ

2015年4月3日金曜日

セマナサンタコース【7つの教会への巡礼】

こんにちは。

いやー、今日は暑い。(昨日も書きましたが、今日はもっと暑いです。)

今週はセマナサンタということで、世間はお休み。オアハカは国内外からの観光客で賑わっています。メイン通りのアルカラは、夜遅くまでたくさんの人でにぎわっていました。というのも、昨日は「Jueves Santo」(聖なる木曜日)だったからです。

このJueves Santoには、オアハカでは7つの教会を巡礼するという習慣があります。この7つの教会を巡礼するというのは、元々はローマ教会の伝統なのだそうです。てっきり、7つの決まった教会を訪れるのだと思っていたらそれは勘違いで、どこでもいいので7つの教会を巡礼するというのがその習慣なのだそうです。

昨日のワークショップでは、オアハカ市内の7つの教会を訪れる「Visita de 7 templos」が開催されました。

最後の晩餐から、磷付に処されたゴルゴダの丘までにたどった受難の道のり(7つの出来事)を表しているのだそうです。翌金曜日に行われるプロセシオンの前に、巡礼を行うのだそうです。この巡礼は家族で訪れるのが一般的とのことで、各教会ではミサが行われ、たくさんの人が訪れていました。7カ所を巡らなければならないというだけあって、ひっきりなしに人が入ったり出たりしていました。

1カ所目は、学校の近くのグアダルーペ寺院へ。この日はキリストがメインなので、その他の聖人たちは布で覆われています。中央の黒い布がそうです。


2カ所目はジャノ公園の近くの教会。普段はあまり門があいていないので、開いているのを初めて見ました。


3カ所目はハラトラコと言う地区にある教会。ライトアップされていたのですが、電飾の色が妙にファンキーだなぁ、と違うところに食いついてしまう私。


内部。白い布と赤い布で覆われていました。白い布は潔白を、赤い布は血を表しているのだそうです。

Virnes de doloresの祭壇だそうです。


熱心に説明を聞き入る生徒さんたち。キリスト教が広く信仰されている国からの生徒さんたちは、これらの行事についてとても詳しいので、逆に感心してしまいます。こういう人たちと一緒に教会などを回ると、普段とは違う視点で見ることができるのでとても興味深いです。


4カ所目は、カルメンアルト。ここでは、ミサに引き続いて洗足式というのが行われていました。

※ちなみに洗足式とは、最後の晩餐のとき、イエスが弟子たちの足を洗い「主であり、師である私があなた方の足を洗ったのだから、あなた方も互いに足を洗わなければならない」と命じた聖句により足を洗うというキリスト教の儀式だそうです。


つづいて、サントドミンゴ教会へ。しかし、この教会には祭壇がないので巡礼にはカウントされないのだそう。祭壇が祀られているところをお参りする必要があるそうです。

それにしても、相変わらずサントドミンゴの内部は息をのむほどのゴージャズさ。


5カ所目は、サングレデクリスト。こざっぱりとした教会ですが、人であふれかえっていました。


入り口付近のキリスト像は、目隠しがされていました。


6カ所目は、カルメンバホ。各教会によって祭壇の飾り付けがかなり違うので面白いですね。


そして最後7カ所目に訪れたのは、カテドラル。

大きいので、どこからでもミサの様子がみられるようにモニターが設置してありました。すごいなぁ……。


各教会の外ではパンが売られていました。



さすがに、7カ所を一気に回ると疲れました。いやでも、歩いてまわれる範囲に教会がこんなにあるものなのだなぁ、と妙に関心もしてしまいました。

今日は、この後プロセシオン(行列)があるそうです。前情報は7時開始とのことでしたが、フェイスブックに20分ほど前にその写真が投稿されているとの情報。……え?!

こんなビッグイベントの割に、直前まで情報が錯綜する感じが、とてもメキシコらしいなぁ、と思う次第です……。

日本人スタッフ あみ

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